これは、マジで怖いお話なので、じ〜っくりとお話しします。。。。
ある晴れた日の午後。自宅に一通のFAXが入った。仲良くしている不動産業者からだった。いつものように投資用物件の情報だった。その情報がいつも一つだけ違っているところがあった。それは、手書きで価格が修正されているという事。まあ売主が値下げしたんだろう・・・と当たり前に考えた。
利回りはワープロ打ちの文字で10.3%と書いてあるが、元の価格から250万円以上値下げされた価格が、手書きで修正されている。ということは、利回りは250万円以上高い価格で算出されているはずなので、10.3%より良くなるだろうと思い電卓を片手にパチパチ・・。
するとなんとネット利回り15.9%!表面利回り17%以上!
す・・すごい!別にこんな物件は札幌や地方では見かけるが、これはなんと、新宿駅徒歩5分の超都心。そんなはずはないだろうと何度計算しても15.9%となる。これはウソじゃない。。。
こういう物件待ってたよ〜〜〜ぉ。いやっほ〜ぅ!
まずは怪しみながらも業者へ電話。ボク「もしもし。今FAXしてもらった物件、ちょ〜興味あります。でもなんか裏があるんじゃない?」 業者「私も今日仕入れた情報だからまだわからないけど普通じゃないね。でもワケあり物件にうまみがあるんだよ!」
というなにげない会話。まあ情報を調べて、物件を見るのはタダだから、いつものように即売主側の業者に連絡してもらう。 すると、売主側の業者(悪徳業者)が言った言葉。
「うちは両手、欲しいんですよね!」
みなさん、この意味、わかりますか?不動産業者は売買を成立させると、仲介手数料という収入が入ります。この収入は物件価格の3%(正確には3%+6万円です)と決まっています。この収入は、売主側の業者が3%(これは売主からもらう)、買主側の業者が3%(これは買主からもらう)というように、売る人も、買う人も手数料を払うようになっている。通常、買いたいという人(この物件の場合ボク)を探した業者(この物件の場合ボクが仲良くしている業者)に3%入るのだが、その手数料を売主側の業者(悪徳業者)が欲しいと言っている。
一般的に、売主もしくは買主からしか手数料が入らない場合「片手」といい、両方からはいる場合を「両手」という。今回の場合は、仲良くしている業者からの情報でボクが買うので、ボクは仲良くしている業者へ手数料を支払うはずだが、それをこの悪徳業者は欲しいと言っている。
※ちなみに、こういう取引は一般的にも行われているようで、この時点で悪徳業者と決めたわけではない。
仲の良い業者は、今回の場合、「あまりにも利回りが良いので、競争が激しく、両手の手数料を取れる人にしか売らない!」との悪徳業者が言っていたので、「うちは手数料いらないよ、でも相談は何でもしてね!」 とうれしいお言葉を頂いた。涙が出るほどうれしいお言葉・・・。信頼できる業者さんがいて良かった。
ボクも、これだけ利回りが良いし、仲の良い業者も親切にしてくれているので、この物件を見ることに。こういう物件はスピードが命!早速翌日朝9時に、現地で悪徳業者と待ち合わせ。つい一週間前に空いたばかりとのことで、部屋の中が見れるんだって!投資用物件を見ていて内見するのは、なんと初めて!ちょっとドキドキ、ワクワクしている。
気持ちが高まり、予定より一時間も早くついた私は、まずはマックで朝ごはん。歩きながら物件まで行くと、その物件は歌舞伎町のど真ん中。8階建ての5階と聞いてたので、とりあえず5階まであがってみよう。とエントランスから入るといきなり、ちょ〜派手なドア・・・。会社名らしき文字が書いてあるそのドアは、今までの人生の中で見たこともないほど派手で、ドアがゴールド、取っ手がキラキラシルバー、さらにカギはダイアモンドみたいにまぶしく光り輝いている。
こりゃ、ホンモノだ・・・。
場所が場所名だけに、ちょっと怖いマンションのようだ。まぶしいドアを横目にエレベータで5階へ向かう。築30年近く経っている物件なので、それなりに古いが、ネット15.9%回るなら悪くない物件だ。上の階も見てみるが、場所が良いだけあって、ほぼ満室。表札を見て歩くと、半分が会社名、半分が個人といった様子。クラブのお姉さんが個人的に住んでいたり、ちょっと怖い事務所だったりするのだろう。
としているうちに、待ち合わせ時間になり、悪徳業者が現れる。愛想はそれ程悪くはないが、いかにも不動産屋っぽい。ボクの好きな本、「わたしは悪い不動産屋」 の中から出てきたような方だ。とりあえず部屋の中に。。
部屋にはいると築30年も経っているとは思えないほどきれい!きれいなシャンデリア、窓が3つ、新品同様のミニキッチン、最近の給湯器、なんと冷蔵庫まで付いている。これは驚きだった。こんなにきれいな30平米弱の部屋が、600万円ほどで買えて、家賃が9万円~10万円で貸せるという。こりゃ、買いだな!
その部屋を出て、まずは仲の良い業者に電話。。とても言い物件だった旨を話して、一階の部屋の話しもした。ちなみに二階にはランジェリーショップなんかが入っていて、いかにも歌舞伎町の物件だった話しもした。見たまま、感じたまま、15分ほど話しを聞いてもらい、アドバイスをもらう。こういう物件は気をつける点が多い。
ザッとではあるが気をつけるように言われた点は
・なぜそんなに安いのか?
・売主が値段を下げた理由は?
・怖い人たちが入っているマンションはトラブルが起こりやすい
・賃貸相場を調べて本当に10万円前後で貸せるかどうか
・他の部屋はどういう人が入っているか
・賃借人に居座りされた場合のリスク
・管理費滞納がないか
・悪徳業者は大丈夫か
・買うならリスクを十分承知の上で買うこと
などである。
いつものように収支を行い、家賃相場を調べ、その周りの環境も調べた。とりあえず売りを急いでいるし、他からの買い付けが入ると、他人にとられてしまうので、リスクを十分承知の上で、買付申込書を悪徳業者へFAXする。
するとすぐに電話があり、「契約は一週間後。手付け金ナシの一括決済」を希望しているとのこと。それまでに契約書、重要事項説明書、登記簿などが全てそろっていればOKという返事をして、手続きを進めてもらう事になった。
ただしまだまだ不安なところが いっぱ〜〜〜いあったので、色々と悪徳業者に質問してみることに。管理費の滞納は?一階の怖い部屋はどういう人?なぜ値段を下げたのか?など聞いてみるが、いつも曖昧な返事しか返ってこない。質問しすぎたのか悪徳業者もあきらめて少しずつポロポロと情報が出てきた。
その中で不安になってきたこと。まずは、同じマンションの入居者は、風俗関係、飲み屋の控え室、金融関係、飲み屋のお姉さんの家、など、今まで私が見ていた物件とは明らかに違う。売主は他の部屋の人ともめ事を起こしているようで裁判を起こしているらしい。
あ〜、なるほど。
この悪徳業者は、一週間以内に契約したいのは、ボロが出てしまうのが怖いから、早く手放してすっきりと思っているのだろう。とくに最近何かトラブルがあり、価格を250万円以上下げて、すぐにでも手放したいと思う程のトラブルだったのだろう。
これはあくまでも推測ですが、大きくは外れていないと思う。はっきりいって部屋もきれいだし、利回りも良いし、手放す理由が他に見つからない。
で、早速、悪徳業者に断りを入れることに。
早速電話をして、上記の理由により解約をしたい旨を話すと、急に態度が変わった。今までは、すぐに買わないと他の人に回すよ。何も問題ないから早くしろ。という態度だったのが、急に、賃貸付けもこっちでやるから心配ないよ。今までの手間はどうするんだ。買う意志がないなら最初から言うな。という逆ギレとも言える態度になってきた。
不動産屋が本性を出すのはこういうときだ。早速ボロが出てきた。特に最後は「てめ〜、ふざけるんじゃね〜〜〜っ!」って電話を切られた。
気の弱い女性などだったら、後に引けずに買っていたかもしれない。結局この物件の詳細な部分は見えなかったので、もしかしたら良い物件かもしれないが、悪徳不動産屋は手数料が欲しいだけだから、良い物件、悪い物件にもかかわらず契約させるのがオチだ。
この日記を読んで下さっている皆さんも不動産屋さんとおつきあいがあるかと思いますが、90%以上の不動産屋さんは良いところです。バブルの頃のような悪徳業者はそんなにいないと思います。少なくとも今まで私がコンタクトしたことのある数十社は、ほとんど全てがまともな会社です。(中には無愛想な業者もいますが、それは個人のスキルの問題だと思う)
悪徳業者を怖がっていては前に進まないですし、まずはインデックスOneの物件検索などで投資用物件を探して、業者から図面をFAXでもらって、物件見学に行く。この流れを日常の生活の中に取り込むことによって、一歩ずつ進んでいくと思っています。私は、このインデックスOneのサイトを見つけた一年半程前から、それを継続しています。
こんな怖い思いも、良い物件を手に入れる為の通過点だと思います。ホントにドキドキ、ワクワクの楽しい物件チェックでした。。おしまい。
このコラムは2008年の情報を元に制作しております。