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TPP(Trans-Pacifi c Partnership:環太平洋経済連携協定)とは、太平洋を囲む国同士で関税などをなくし、自由貿易化を目指す経済的枠組みのことをいいます。TPPは、その英語の頭文字をとっています。具体的には、2010年3月にP 4協定(環太平洋戦略的経済連携協定)参加の4カ国(シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ)に加えて、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナムの8カ国で交渉が開始されました。その後、マレーシア、メキシコ、カナダ、日本が交渉に参加し、 現在は12カ国で交渉が行われています。
TPPの参加国は原則的に分野を問わずに関税を撤廃することを掲げており、物品の関税撤廃や削減、サービス貿易のみならず非課税分野(投資、競争、知的財産など)のルール作りや、新しい分野(環境、労働など)を含む包括的協定とした位置づけになっています。発効すれば、新しい世界経済の枠組みが実現し、これらの国々の成長力をさらに高めると期待されています。参加国のGDPや人口などを比較すると EUの経済規模に匹敵するともいわれています。
日本がTPP交渉に参加する最大のメリットは輸出競争力が増すことです。例えば、TPPが締結されることによって関税が撤廃されると、他国よりも有利な条件で貿易が可能になります。逆にもし日本だけに関税がかかってしまうと、他国より不利になります。
例えば、日本が得意とする輸出産業の自動車や家電分野で考えてみましょう。これらには、現在関税がかかっていますが、撤廃されれば関税がなくなるので、貿易相手国から買ってもらいやすくなります。その結果、輸出の増加が期待できるわけです。
また、消費者にもメリットが考えられます。日本は現在、食料品の多くを輸入に頼っています。関税が撤廃されれば、輸入コストが減るので、安い輸入食料品が手に入るようになります。
しかし、TPPにはデメリットも存在します。例えば、安価な輸入食料品が大量に入ってくることによって、国内の農産物が売れなくなるなど、国内農家が打撃を受けるおそれがあります。また、安価な輸入食料品の安全性の問題も指摘されています。
そのほかの分野としては、金融サービスや知的財産の保護などのルール作り、医療分野などと交渉は多岐にわたっています。医療分野において、日本の場合、全国民が健康保険に加入している(国民皆保険制度という)ため、保険診療と保険が適用されない診療(自由診療)を組み合わせることは原則できません。しかし、この医療分野が輸入されることになると、混合医療の解禁を迫られ、事実上の国民皆保険の崩壊に つながるのではないかともいわれています。
このように、TPPにはメリットとデメリットが存在します。また、いろいろな人々の意見を組み合わせてみても賛否両論あります。しかし、政府はそれらの意見も踏まえた上で慎重に考える必要があります。
現在のところでは、TPPを締結することによって、トータルで考えたときに、日本にとって、つまり私たちにとって経済効果を生み出すことができるかどうかを試算して交渉をしています。交渉過程もさることながら、TPP締結後の動向にも注目していきたいところです。
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